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テーブルの上にメモを置いたあと、玄関に向かい、香音の部屋をあとにする。
早朝ということもあって、辺りは静か。
コツコツ、と歩く音がやたら響く。
………メモ、読んだら怒んのかな……。
残してきたメモには、鍵を借りたこととそれを帰りに返しにくることを書いてきた。
そのままポストに入れておいてもよかったんだろーけど……。
ただ、香音の部屋へ行くための口実だ。
そんなことを考えながら角を曲がろうとしたところで、ここの住人らしき人とぶつかりかけた。
「…っと、すいません」
「あ…いえ」
片手にゴミ袋を持ったジャージ姿の男に軽く会釈をしてから歩き出す俺を、その男は引き止める。
「……あの、」
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