欲望

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振り向いた俺に、その男は気まずそうな感じで尋ねる。 「……今……あの部屋から…出てこられましたか?」 「……………………は?」 思わず眉が寄る。 ……え、なに。意味わかんねーんだけど…… その男は慌てたように、少し早口になる。 「いや、あの…北見さんとはちょっとした知り合いで……」 そう言いながら、その男の視線が俺を上下する。 まるで、品定めされている気分だ。 そしてしっかりと俺の目を見据えると、 「……もしかして、北見さんの彼氏さんですか?」
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