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「香音?」
名前を呼べば、はっとしたように慌てて反応する。
「ごめ、……なに?」
「タオル、ありがとう。……つか、何かあった?」
様子を窺うように香音の顔を覗き込めば、一瞬躊躇いながらもポツリと言葉を零す。
「……あのさ、そのネクタイって朝してたものと一緒……?」
…………ネクタイ?なんでそんなことが気になんの?
明らかに表情が曇った香音に、疑問をぶつけてみる。
「ネクタイがどうかした?」
「……ううん。なんでもない」
何かを隠している気がするものの、それ以上踏み込まなかったのは、そのあとの言葉に全てもっていかれてしまったから。
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