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「……あ、……そういえば壱吾、夜ご飯……食べた?」
少し辿々しくそう口にした香音は、手にしていたタオルを弄りながら、視線を下へ落とす。
「いや、まだだけど」
「………そう」
香音が再び口を開くのを待つも、妙な沈黙が流れるだけ。
…………ん?あれ……これってもしかして……?
そんな思いを頭の片隅に置きながら、静かに口を開く。
「香音は?食べた?」
そう訊けば、ゆっくりと上がる視線。
「………今から食べる」
「ふーん、ちなみに今日のメニューは?」
「………生姜焼き」
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