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なんだかじっとしていられなくて、食器を洗う香音の隣に並ぶ。
「やっぱり手伝う」
「……いいのに」
「二人でやった方が早いだろ」
そう言いながらシャツの袖を捲り、洗い終わった食器を流していく。
昔と同じ立ち位置に、重なる記憶。
つい鼻唄が零れるくらい、楽しくて仕方なかった。
「これで全部?」
「うん、ありがと」
洗い物を終え、一息つくために香音がコーヒーの準備を始める。
その様子を横目に、シャツの袖口のボタンを留めながら、今日一日ずっと気になっていた疑問を香音にぶつけた。
「そういやさ、今日の朝、そこの曲がり角で出くわした男に話し掛けられたけど、香音仲良いの?」
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