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気づけば、椅子から立ち上がっていた。
「っ、それで今アイツは…!?」
「それがっ、私が受付に行った時にはもういなくて……瑞妃が言うには、その男と待ち合わせしてたって……。たぶん香音、その男のところに行ったんだと思いますっ……」
葛宮さんもずいぶん焦っているんだろう。
それでも俺に今の状況がわかるように、必死に説明してくれている。
「とりあえず、そっちに向かいます…!」
葛宮さんとの電話を切ると、待ってましたと言わんばかりに石田さんが口を開く。
「なに?なんかあったの?ねぇ、葛宮さんと何かあるの!?」
「すいませんっ、石田さん!俺ちょっと急ぐんで、それについてはまた今度説明しますっ!」
「えっ、…ちょ、羽村くん!?」
バタバタと急いで会社を出る支度を整えると、俺はカバンを手に飛び出した。
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