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「…………つか、待ち合わせどこ?」
「…あ、すぐそこの…」
香音が指差す先には、見慣れたコーヒーショップ。
「ずいぶん時間経ってるし……もしかしたらもう…」
「香音に会いたくて来てんだから、待ってるだろ」
お店のドアを押し開け、足を踏み入れると、店内にはコーヒーの香りと賑やかな声。
ゆっくり辺りを見渡していれば、急に繋いだ手に力が込められた。
「………いた」
香音の視線を追うように目線を滑らせれば、奥のテーブルに座っている男が目に留まる。
少しでも不安を拭ってやりたくて、自分の背中に隠すようにして、その男が待つテーブルへと近づいた。
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