動揺
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2人でタクシーを降りると、何か言いたげな顔で佇む香音。 「なにその顔」 「……だって……」 明らかに困ったような表情を向けられ、心がチクリと痛む。 「別に泊まるっつってないだろ。部屋まで送ったらすぐ帰る」 香音に背を向け、さっさと部屋までの道を歩き出す。 嘘とはいえ、さっきまで彼女"だった"はずなのに。 夢から醒めるのは、一瞬だ。
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