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「……今日、壱吾がいてくれてすごく心強かった。……ずっと手を繋いでてくれてたから、すごく安心できた。今も、……昔も、心配ばかりかけてごめん。その度に守ってくれて……ありがとう」
予想もしない言葉に、胸が震える。
そんな風に思ってくれてるなんて思わなくて、ただ素直に嬉しかった………のに。
「………弱くてごめん。素直になれなくてごめん。逃げてばかりでごめん。ネクタイ……選んであげられなくてごめん。………ずっとそばにいるって約束、……守れなくてごめん……」
言葉を選びながら次々と吐き出される香音の想いに、俺は激しく動揺する。
幸せだった日々と辛い過去が一瞬で蘇り、思わずギュッと拳を握り締めた。
「………なんで今、そんなこと言うわけ?」
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