2049人が本棚に入れています
本棚に追加
軽く俺の胸を押し返し、距離を取ろうとする香音。
今あったはずの甘い空間が、解けていく。
思わず舌打ちをして、渋々音の鳴る方へと足を向ける。
カバンから取り出した携帯のディスプレイには"和泉"の文字。
………コイツ、邪魔するタイミング良すぎねぇ?
鳴り続ける着信をブチ、と一方的に切ると携帯をカバンの中へ突っ込む。
そして大きく深呼吸をしたあと、
「………帰るわ」
そう、香音に告げた。
最初のコメントを投稿しよう!