嫉妬

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ポカン……といった効果音が聞こえてきそうなくらい、みんな目を丸くしてこちらを見ている。 一番冷静な松野でさえ、グラスを持ったまま固まっていた。 「…………………え……えぇぇえっ!?」 「はっ?そんなこと今までひと言も…!」 「……う…そぉ……だ、だれっ…?」 実はまだ、和泉達に香音と再会したことを話せていない。 打ち明ければ、どんな反応をするだろうか。 「……香音」 その名前を口にした瞬間、みんなの目が更に丸くなったような気がした。 「えっ!?」 「ん"んっ!?」 「なになに、どういう…」 「おいっ!それってあの香音ちゃんか!?」 一瞬の静寂のあと、一気に騒がしくなる。 和泉なんか身を乗り出しすぎて、またグラスを倒していた。 俺はビールで喉を潤したあと、今日までのことを話し始めた。
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