嫉妬

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「…うるさい」 図星なのがかっこ悪くて、テーブルの上のグラスに手を伸ばす。 自分でもこの気持ちがなんなのか、わからないわけじゃない。 たぶん……………いや、きっと一目惚れってやつ。 「連絡先、聞けば?」 「……教えてもらえるわけないだろ」 「見てるだけじゃ、なんも始まんねーじゃん」 和泉に、分かりきっている正論をズバッと言い放たれて、返す言葉に詰まる。 ………わかってる、わかってるんだけど。 「………聞いたところで、断られる可能性のが高いじゃん」 今の俺には先を望むよりも、気まずくなってこの店に二度と来れなくなる方が嫌だ。
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