嫉妬

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隣を歩く竜は、吹き出すように笑いを零す。 「断られたって、自分が納得するまではとことん頑張る。しつこいって思われても引かない」 そう断言する和泉に、俺はただ呆気に取られる。 軽く咳払いをした竜は、 「……ほんとメンタル強えな」 「強くねぇよ!俺だって傷付くし、ヘコむに決まってんじゃん。でも後悔したくないし、それに気持ちってそんな簡単に消せねーだろ」 確かに和泉の言うように、一度断られたからって諦められるような気持ちではない。 ただ……少しでも傷付くのが怖いだけだ。 「あと、お前らがいるから心強い。話聞いてもらえるだけで、大分ラクになるから」 ニカっと笑う和泉は、「あ~俺、今いい事言っちゃったな~」なんて、自分で自分を褒めている。 「でもまー……それはそうだな」 腕を組み、頷く竜は、俺を真っ直ぐに見る。
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