嫉妬

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何杯目かのハイボールをゆっくりと口の中に流し込めば、カラ…と氷が音を鳴らす。 「心当たり、全くないのかよ?」 「ない。…バレンタインの日、ちょっと体調悪そうだったのと、就活で疲れてて元気がなかったくらい」 それから一ヶ月近く会えず、やっと会えたかと思えば、別れ話を切り出されたんだ。 「実は、羽村が浮気してたとか?」 「なんでだよ、するわけないだろ」 「じゃあ、逆にされてたとか?」 「………それも…ないと……思ってる」 大体、別れを切り出された理由に心当たりがあるなら、こんなに何年も引きずらない。 「俺さー、香音ちゃんが羽村と別れたのには、理由があると思うんだよ」
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