嫉妬

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「嫌がらせ?そんな話、聞いたことないけどなぁ~」 飯山はそう言いながら、目の前の枝豆に手を伸ばす。 「飯山達には言えなかったんじゃねーの?ほら、羽村に伝わる可能性高いじゃん」 「つか、それはねぇよ。あの人とはあれっきりだし、偶然会ったりもしてない。…大体、二股かけてフった相手に、今更何の恨みがあるんだよ」 高校に入学して2ヶ月経った頃、同じ委員会だった2歳年上の先輩に告白され、特に断る理由もなかったから付き合い始めた。 なんとなく始まった恋だったけど、それなりに好きになった。 だけど、あの人が卒業する間近に二股が発覚して、そのままこの恋は終わりを迎えた。 結局あの人にとって俺は、ただ遊びでしかなかったんだ。 「じ、じゃあ!香音ちゃんには重大な秘密があって、それを羽村に知られたくなくて別れるしかなかったっていう…!」 「はいはい。もういいから」
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