嫉妬

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両手で必死に俺の腕を掴む香音に、素っ気ない言葉を浴びせる。 「怒ってねーよ」 「怒ってるじゃん!私だって、壱吾が機嫌悪い時の癖くらいわかるよ。言いたいことがあるなら言ってよ」 言いたいことなんか、抱えきれないほどある。 なんで先輩とご飯とか行ってんだよ。 先輩から貰ったチョコで喜ぶなよ。 結局、先輩がいいのかよ? いろんな思いの中で、口に出すのが怖くて、でも知りたいこと。 「………お前、誰とでもキスすんの?」 口から吐き出した言葉に、香音は傷ついたような顔を見せる。 「……壱吾は、私が誰とでもすると思ってるわけ?」 「さっきしてたじゃん。先輩と」
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