嫉妬

41/50
前へ
/747ページ
次へ
ひと通りの手続きを済ませ、少し昔話に花が咲く。 「なんか感慨深いな…。羽村くんもスーツが似合う大人になったんだね~」 「見た目だけですよ。中身はまだまだ大人になりきれてないです」 書類を整えながら苦笑いを零す俺を、津坂さんはまるで親のように嬉しそうな顔で眺めている。 「あ、北見さんは元気?」 その質問に、スッと顔が強張るのを感じた。 津坂さんは、今も当たり前のように、俺のそばには香音がいると思ってるんだろう。 これを告げたら、津坂さんはどんな反応をするだろうか。 「……実は俺達、別れたんですよ」
/747ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2052人が本棚に入れています
本棚に追加