嫉妬

46/50
前へ
/747ページ
次へ
俺に黙ってること……? 全然話が見えなくて、じっと津坂さんを見つめ返す。 「羽村くん、覚えてるかな?…バイトを辞めるときに、北見さんが変な男に絡まれないように気を付けてほしいって、俺に言ったこと」 俺は、記憶を遡る。 そういえば、そんなことも言った気がする。 それで津坂さんも、たまに近況報告がてら香音の様子を教えてくれてたっけ。 「…覚えてます…けど……」 「それに対して俺は『大丈夫、任せて』って、言ったよね。……でもね、この約束……守れなかったんだ」 ザワ…と胸が騒ぐ。 二人の間の空気がシンと静まり返り、周りの声がやたら煩い。 「……どういう…こと、ですか…?」
/747ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2052人が本棚に入れています
本棚に追加