嫉妬

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結局、俺がたどり着く答えなんて最初からたったひとつしかない。 「やっぱり…香音がだいすきなんで」 全てを知った今、香音に会ったら言いたいことは山ほどあるけど、とにかくこの手で抱きしめたい。 「…すみません、津坂さん。俺、もう行きますね」 急いで立ち上がり、テーブルの上にある伝票へと手を伸ばす。 けれど、津坂さんの手がそれを拒んだ。 「いいから。行って、羽村くん。……今日会えて良かったよ」 「…俺も津坂さんに会えて…本当のことが知れて良かったです。…ありがとうございました」 津坂さんに一礼すると、俺は店を後にし、香音たちが待つお店へと急いだ。
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