2052人が本棚に入れています
本棚に追加
辿り着いたビルを見上げ、上がった息を整えると、レストランがある階までエレベーターで昇り、店の扉を開ける。
おしゃれなBGMと共に案内されたのは、奥の個室。
ひとつ息を吐いてから、そのドアを押し開けた。
すぐに先輩が気付き、その隣には香音がいる。
手にしていたグラスから俺へ視線が移ると、目の前に立つまで逸らされることはなかった。
「香音」
周りのことなんて考える余裕などなく、愛しい人の名前を呼ぶ。
「話があるんだけど」
最初のコメントを投稿しよう!