真実

11/18
前へ
/747ページ
次へ
「……好きだ………香音、やり直したい」 何度だって伝えるから、また俺の隣で笑ってほしい。 シンー……と静まり返る中、周りも香音の返事を固唾を飲んで見守っている。 そんな中、耳に届いたのは、絞り出すように吐き出された謝罪の言葉。 何もかも知った上で、それでも俺は香音といたいと伝えても、香音は、そんな資格はないと言う。 そんな理由でなんて納得も出来なければ、引き下がるわけにもいかない。 だけど、香音は声を張り上げ、悲しそうに呟く。 「…………壱吾を、傷付けたくないの…………触れられない辛さは、私だけでいい………」
/747ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2052人が本棚に入れています
本棚に追加