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あまりにも甘美な血の味に、少年の胸が弾む。
少年は、傷口から再びうっすらと滲み出したルナの血を高揚した瞳で見つめると、その傷口に直に吸いついた。
少年は蓋をするように傷口をくわえ込み、ピチャピチャと濡れた舌を鳴らす。
ルナの温かく柔らかい肌も同時に味わうように舌を当て、少年は激しい音を立てていた。
「…はぁっ……美味しい…すごく美味しい……っ…」
初めて味わった極上の血に興奮が止まない。
血を味わいながら息が激しく上がっていく──
血をすする顔を上げてはルナを見つめうっとりとルナの頬を撫でる、そしてまた血を貪る。
こんなに美味しい血を僕にくれるなんて…なんて君は愛しいんだろうっ…
狂喜に満ちた眼差し──
瞳の奥が光り狂ったような笑みを浮かべる美しい少年。
「可愛いね…ほんとに…すごく可愛いよ君……」
僕のものだ──
瞳を閉じたままのルナの頭を何度も愛しそうに撫でながら、傷口の血に唇を付ける。
少年はそれを繰り返すとルナのドレスの胸元に手を伸ばし、ゆっくりとリボンをほどいた。
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