八章 月の誘惑・前編

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・ 「お前達と俺では格が違う、それすらも理解出来ぬ頭なら無くても困ることはなかろう」 独り言のように低い声で呟くとグレイの瞳孔が開き、そして銀白眼に変わると強い光を放った── 真っ暗な闇の中、静かな森で破裂音が響き、こだまする。 そして辺りは再び静寂に包まれていた── 時折吹く風が木の葉を揺らし、ざわめく。崩れ落ちた外壁から差し込む月明かり。 よどんだ妖し気な月光が、剥き出しにされたルナの人形のような肌を暗い室内で浮き彫りにしていた。 月の明かりは少年の瞳もを輝かせる。 「これはもしかして僕の為に?……」 眠ったままのルナを恍惚とした視線で見つめ、そう囁くと少年はルナの華奢な足を押し広げたのだ。 開いた途端にドロリと腹部から圧迫された熱い血が溢れ出る。 白い太ももの付け根を淫らに汚してしまったその赤い血は、ルナの子宮から溢れている物だった。 少年はルナのその躰に敬愛を示すようにそっと唇を寄せた。衣服を剥がれ、膨らみもわずかな乳房にゆっくりと口付ける。 その途端にルナの躰がピクリと震えた。
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