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『傷を治したのは君?』
そう頭に声が聞こえた。
念話と呼ばれるもので、脳内に直接話す方法である。
魔力を使い、特定の者に話す能力だが、魔力をかなり消費するので、今の私は使えない(念話は魔法ではない)。
コクリと頷くと、ウルフ(?)は私の頬を舐めた。
『ありがとう。俺はあそこの山を越えた先にある森の魔女から求愛されて断ったら呪いをかけられたんだ。今はウルフの姿になっているが、歴とした人間だ。』
苦笑いしたように言うウルフ(?)。
…言葉は通じるが、文字は同じだろうか?
地面に文字を書く。
"名前は?"
しかし、ウルフ(?)は首を傾げる。
『なんて書いているんだ?』
やはり文字は違うのか…。
どうしようか、声が出ないだけでこんなにも不便なのか。
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