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控え室のドアがノックされた。
「どうぞ、開いてますよ」
失礼します、という声と共に眼鏡をかけた女性が入ってきた。女性の腕には大会スタッフを示す腕章がつけられていた。
「田中さん、本番の時にゲームをプレイする場所と機械を確認してもらってもいいですか」
「分かりました」
田中は吸っていた煙草の火を消して灰皿をテーブルの中央に寄せた。
「じゃあ、ご案内しますね」
女性スタッフの後について田中は控え室を出た。
控え室の扉から廊下が左右に伸びており、右側は同じ間隔で扉が並んでいて奥にはトイレがある。左側は少し先に階段が見える。
二人は左に進み、階段で二階に上がった。
黒いカーテン、続いてスピーカーや照明の機材が視界に飛び込んできた。
目の前の女性と同じく、スタッフの腕章をつけた人が何人もおり、せわしなく動きまわっている。
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