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「おい、そこの機材は向こうに変更になったって言っただろ。早く運べ、本番まで一時間もないんだ!」
すぐそばで男性の怒鳴り声が聞こえた。
注意されたスタッフは重そうな機材を一人で運んでいった。
「なんか、大変そうだ」
「まあ、大会の本番まで時間があまりないですからね。どんなイベントでもいつもこんな感じですよ」女性スタッフが振り向いて言った。
「あの機材を一人で運ぶのはきついだろうなあ」
田中は床に置かれた機材を踏まないように気をつけながらステージに進んだ。
ステージの中央に机と椅子が一セットずつ、向かい合わせで配置されており、机の上にはゲーム機と小型のテレビが置かれている。さらにステージのバックにはスクリーンが設置されていた。大会中はゲームのプレイ画面がスクリーンに映し出されるのだろう。
「田中さんはこちらに座ってゲームをプレイして頂きます」
女性スタッフが手前側の椅子を示して言った。
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