ランダ

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ランダ

「自治軍は門や壁の付近で陣形を作り待機、後は俺が相手する」 とランダ准尉が門に来て軍の人たちに指示をしていると、こちらの方に来た。 「やあ、君たちもここにいたのかい。なら早く村の中の方に行きたまえ。 これから戦闘になる民間人を守るのが我々の役目なんでね」 と偉そうに語るのもムカついたが、俺たちが今日この修行ができたのもこの人のおかげであるから、素直に避難しようとした。 ところが「おいそこの者、旅人。ダルフ。ちょっと待て」とランダが呼び止めた。 「あ、なんだよ。軍隊さん、まだ用があるのかよ」 それを言ったのはジットであった。 「ちょっと、ジットには関係ないでしょ。 変に絡んで迷惑かけてこれ以上ダルフさんに困らせないでよ」 とセラが呼び止めた。 「で、まあこの子達の言う通りにまだ俺になんか用があるのかよ」 とダルフさんが喧嘩売る様に言った。 「ふん、挑発的だね。だが、まあいい。今回は別の要件だよ。我々と一生にモンスター退治に協力してくれないか。軍曹か、うちの者を倒したのだ」 とまた偉そうに語る。 「断る」とダルフも歯向かう。 「ならいいだろう、今ここに通信機器のスポットがある。これを使って地方本部に連絡してダルフ。貴様を、国家反逆罪にしてやる」 と更にランダは脅しをかけた。 「准尉それは、おかしいのでは」 「きたねぇぞ。それが軍のやることか」 ジットは怒るように抗議した。 「わかったぜ、やるぜ」とダルフが冷静にすました顔で言った。 「ちょ、ダルフさんそれはおかしいよ。いくらなんでも脅されたからって、やらなくても」 「そうよ、ジットの言うとおりよ」 と二人はダルフを呼び止めた。 「いや、脅しは別に意味はないだろう。昨日ランダ達は監査でこの村に来たって言ってた」 「だからなんなのさ」 「いわゆる、ランダ。彼以外は戦闘兵では無いということだ。昨日やここにいる兵達からしてそう見えるし、兵たちの焦りよう、それに兵の展開がおかしいあまり広げずに本当の戦争でもやるような配置だ、おかしすぎる」 とダルフはなにもかも事情を知ったように話す。 「ふう、やれやれ。昨日しゃべりすぎたかな。そうだとも、今や自治の少数の兵か俺以外実戦向きの兵はいないんだ。あとは砲術を使うモノたち。それにアニマは俺だけしか使えず、手が足りない。自治兵たちは、門近くで村に来る兵の最終防衛だけ、村の防衛とは言えない。ので力を貸してもらいたい」とランダは言った。お辞儀や頭も下げずに。 「わかった、それよりジットたちは早く避難を任せたい」 「わかった、ダルフさん頑張って、さあジット行くよ」 「お、おい俺も参加するぜ」 「バカいっていないで行くよ」 ジットを引っ張るようにセラが連れて行った。 「じゃあ、行くぞ!」 ランダとダルフを一緒に戦場に向かう 「おい、離せよ。俺も戦闘に加わりたかったのに」 「ふん。馬鹿ね、あそこでダダこねてもどうせ他の軍の人に連れてかれるよ。 監視付きでね。」 「なるほど、でどうするの」 「こっちの方に抜け道があるのよ」 「おぉ、なんでこんなの知ってんだ。それはジットの修行をのぞき見してたのよ」 「はぁ」 「大声出さない、周囲に気づかれる。行くわよ」 「お、おう」  建物と建物の間の小道を歩いてぬけると、そこには半径15cmほどの木の丸太材が2m辺りの高さまであり、その先は鉛筆のようにとがったように削られた柱が建っていた。それはさっき居た門から連なっていた壁で門から何十何百と建っていた。 「なあ、壁があるどこにも抜け道はないよ」 「馬鹿、ここじゃないよ。こっち」 とセラはジットの手をつかみ、引っ張りながら走る。 壁沿いを走っているとたまに体を横にして肩や背中、腹を擦らせながらゆっくりと歩く幅しかないときもあったけど、それでも走る。 「おい、抜け道なんてぜんぜんないじゃんかよ」 「うるさい、黙って走る」 そう言われながら走っていると、丸太材の木の壁が無くなり自分たちの背丈の高さの垣根が連なった。すると少し10cmと間が空いた垣根があった。がセラはさらに背をかがめ、匍匐前進をするように垣根を潜り抜けようとしていた。 そう見ているとセラが50cmくらいの幅がある垣根を越えていて立ち上がりジットを呼び寄せ、壁の向こう側にあった木々に向かおうとしてたので、俺は置いて行かれないように急いで垣根を潜り抜けセラを追った。 「もお馬鹿、言ってないで行くはよ。そんなトラップにかからないように私がいるでしょ。私は何回もここを往復しているのよ」 そう言ってセラは駆け抜けていくので、しょうがなくジットも追いかける。すると木々を抜け、また垣根が連なっていた。がセラは避けることなく突っ込んでいった。またジットは足を止め、セラに言った。 「セラ待て、ぶつかるぞ」 がセラはジットの呼びかけを無視して、突っ込むと垣根が左右に避けるように引いて、ちょうど人が通れるような隙間ができて、セラはその隙間を駆け抜けていきジットも後を追いかけて垣根を越えた。 「ふう、なんであぁなるってわかっていたんだ」 「それはここを始めて通った時にウサギがいたのよ、そのウサギは垣根に行ったはすると垣根はさっきみたいに避けた。それで私も後を追って試したら今と同じようになった訳よ。もういい、さっさと行くはよ」 「おぉ「くそ、なんかセラはおれの知らないことが多すぎて、悔しい」」セラと一緒に駆け抜けた先には、ダルフさんと軍人のランダさんがモンスターと戦闘を繰り返していた。 「すごい、これがアニマを使った戦い方」 ダルフさんの力はラーム戦でも見たけど、一頭一頭で迫りくるウルフェンには拳や蹴りをかます肉弾戦でウルフェンを倒していき、複数で迫り来る場合には炎のアニマを放出して一掃していった。その戦いぶりには数多くの経験があることが伝わりあれはドラゴンとも一線をしていると思える程の強さに思う。そんな俺がダルフさんの戦闘に夢中になっていると、セラが軍人のランダを見て感心していた。 俺もランダの戦闘を見ると、ランダはダルフさんみたいに肉弾戦をせず、アニマを使った戦い方をしていた。右手をウルフェンに構えてその手のひらからミニボールくらいの光弾を一直線に放ちウルフェンにぶつけ爆発させる、一頭一頭光弾をぶつけて倒す、希にウルフェンの俊敏性が優って避けられるが数をものすごいスピードで減らしていく。その二人の姿はまさに無双だ、と二人は圧倒された。 そして二人は、ウルフェンの数を減らしたらオーガに向かった。オーガはウルフェンとは違い鈍行で俊敏性は無いが、図体の大きい部分、強固で図太い腕からなす握力は半端なく骨や岩を砕くほどの力である。そのためにもアニマを受けても怯まないが、ダルフが手から放出して炎がダルフの右手の辺りをまとわりつくような動きをして、前後に伸びていき槍の形をしだした。 そしてオーガに向けて構え投げ放った。オーガの体の真ん中に命中してオーガの正面が爆発した。そして背中から炎が噴出した。ランダの方も負けじとさっきまで放出してた光弾とは違う大きさの光弾を解き放ちオーガを吹き飛ばした。 「すげぇオーガをもろともしない。ダルフさんもすごいけど、軍人さんもすごい。あれで准尉なら、その上の階級の人たち、中央軍本部はどれくらい強いのだろう」と二人がオーガの退治も終わりかけているとそこに、一頭のウルフェンが私たちの方に襲いかかってきた。 「きゃあぁぁ!」 そこにセラがあまりに実戦経験もないあまりに悲鳴を叫んだ。 そこにオーガやウルフェンなど辺りの敵を倒しきった二人が気づいた。 「くそ、遠いし、なんであんな所にいるのだよ」 とランダが言う 「そんなことはどうでもいい、とりあえず行くぞ彼らを助けなければ」 と二人はジットやセラに襲いかかろうとしているウルフェンに向かって走った。 しかし、ウルフェンの移動速度にも追いつけず、ランダの光弾も走りあっているのでうまくウルフェンに当たらず、そのまま二人の方に向かっていく、そこでジットが持っていた弓矢を取り出しウルフェンに放った、しかし当たらず何度も何度も放つが躱された。 「くそぉ!」 「きゃあぁぁ!」 そしてウルフェンはふたりに噛み付きかかろうと飛び跳ね上がった。 ゴン、と鈍い音と同時にウルフェンが、きゅんぅ、ひ弱な鳴き声がしたがすぐさまランダが光弾で倒した。同時に二人の近くでガシャガシャと鉄製の足音がした。その音の方に目を合わせると、そこには鉄製の鎧がいた。 と同時に元は白色だと思うロングジャケットが薄く汚れ灰色になっていれ袖の部分は肩から破れ剥がされて筋肉のついた強固な腕がされけ出されて、ジャケットの下には下着の服を身につけておらずジャケットとジーンズに軍隊用ブーツを身につけた、男がウルフェンを追い払った、鎧の少し後ろの方から現れた。 「ガキンチョども、無事か」
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