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あの子は確かクラスメイトだったはず。
何故はずかって?
もう半年も学校へ来ていないから。
理由は知らない、でも風の噂では裏稼業が忙しいからって。
何そのドラマみたいな話。
偶然というものは重なるとトコトン重なるもので、たまたま顧問が風邪をこじらせ部活が休みになって、たまたまあったはずの私の靴が片方無くなって、たまたま見つけたのがこの神社のゴミ箱で、たまたま通りかかった境内の奥に見えた桜の樹が気になって近付いただけのこと。
本当にたまたまなんだ。
そこである人は美味しそうにそれを食べていて、横に立つクラスメイトに話しかけていて。
その異様な光景が、何だか美しいって思ったから、見入ってしまったわけで。
「だからやめようって言ったのに」
「だってお腹減ってたんだもん」
残念そうに手放したそれも、クラスメイトで、多分だけど私の靴を持ち去った人だろう。
よくクラスの女子と私の荷物を持ち去っているのを見たんだもの。
でも今日は靴以外何もしてこないし何も言ってこない。
そりゃ無理か。
だってもう
皮しかないもんね。
「どうする? この子も食べて良い?」
「待って、あなたどこかで会ったね? 誰かな?」
「同じクラスのーーーー」
「あぁ、思い出した! いじめられっ子だ、何だ元気そうじゃん」
「うん、元気でた、私の代わりに退治してくれてありがとう」
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