ごめんね

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「ねぇ、生意気だと思いませんか?」 その質問が私に向けられてると気付くのに時間がかかった。 そんな私を不思議そうに見つめる友達もどきの人間たちは、まるで教えられたように首を傾げて行く。 「どうされましたか?」 「え? あ! ごめん、ちょっと昨日眠れなくてボーッとしちゃった、何だっけ」 「大丈夫? あの子ね、もう新しい靴に変わってるの、生意気だと思いません?」 「そっか、そうだね」 そうして誰とも言わず、あの子の靴を手にした私達は、濡らして汚して穴を開けて、捨てられた。 「流石に学校に置いておくわけにはいきませんしね」 誰かがそう言って、誰もの帰り道にある大きな神社のゴミ箱へ入れられた。 「ふぅ、これでスッキリですね、帰りましょう」 リーダー格の友人もどきは、本当にスッキリしたと言わんばかりの笑顔を振りまく。 私は一体何をしているのだろう。
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