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「なんで、そんなに荒れてんだ?俺が昔拾った猫みたいだな、お前」
何故、そんな風に笑うのか。
嬉しそうな顔で、何を考えている?
生憎、面白い答えなど、返せそうに無い。
「ま、衰弱して三日で死んだが」
はぁ……、と溜め息を吐く表情は憂いに満ちていた。
不思議なくらい、コロコロと表情が変わる。
「それは、まあ、過去の話だ。山田く……ん、じゃないんだよな?取り敢えず、座れる場所行くか」
今度は、やけに真面目そうな顔になって、男が駅前のカフェを指差した。
外装はアンティーク調で、チェーン店では無さそうだ。
「おいで、ご馳走してやるから」
言い方はなんだか癪に触ったが、考えてみれば三日間何も食っていないと思い、言われるがまま俺は男の後を追ってカフェに入って行った─────。
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