一六八時間の決裂

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弱くて、弱くて、弱過ぎて、俺は完全に引きこもりになってしまった。 アイザックに迷惑を掛けてしまっているのは分かっている。 もう一週間だ。 奴も、さすがに俺のことを嫌いだと言うだろう。 迷惑だと言うだろう。 こんな俺をまだ好きだと言うのなら、アイザックは正真正銘、大馬鹿野郎だ。 人を信じれば人は救えるのか? 笑っていれば怒りは治るのか? 死んでしまえば、救われるのか? 人の傷を抉るのは罪か? 答えは、すべて『ノー』だ。 分かっているクセに何も受け入れられない俺こそ、正真正銘の大馬鹿野郎……。 「はぁ……」 溜息を吐き、部屋の扉を開ける。 アイザックは仕事で一時間前に出て行った。 もう一週間、奴と顔を合わせていない。 居ない間に風呂に入ったり、飯を食ったりしているからだ。 ほんと、迷惑な奴だよな……俺。
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