一六八時間の決裂

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そして、四つ目。 ここで、俺はこれがリアルタイムで、どこからか配信されているものだと気が付いた。 確かに、アイザックはこの部屋で監視していたのだ。 俺を、他の誰かを。 四つ目のモニターには俺の部屋が映っていた。 勿論、部屋には誰も存在しない。 ただ、意思のない首を吊るための縄が天井から、ぶら下がっているだけ。 よく見れば、モニターの下の部分に電話番号が書いてある。 律儀なこった、俺の番号まで調べたのか。 あの日、俺が自殺しそうになっているのを見て、堪らなくなって電話を掛けてきたのだろう? 名前は書いてないが、俺の名も本当は知っていて、わざと山田という名を出したのだろう? 道理で近くに住んでるわけだ。 何故、今迄監視されていると気が付かなかったのだろうか。 別に見られている感じも、つけられている感じもしなかった。 何故? あんたは、どうして俺を見ていた?
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