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「は?あんた、何言ってんだ?まさか、俺のこと忘れたとか言わないよな?」
一瞬にして、アイザックとの距離を縮め、俺は奴を問い詰めた。
今更、忘れたとか言うなよ。
「いや、本当に分からないんだ」
笑みを浮かべることなく、困った顔をしてアイザックが言う。
「どういうことだよ!」
俺が声を荒げながらアイザックの両腕を掴むと、奴はひどく驚いた顔をした。
まさか、この人間は俺の知る、ノア・アイザック・レイフィールドでは無いのか?
「落ち着いてくれ。俺も、まだ受け入れられてないんだ。自分の記憶が一年分も無くなってしまっただなんて……」
一年分……?
それじゃあ、俺の存在なんて、ちっともあんたの頭の中に残っていないじゃないか。
「一体、何が……?」
「医者から聞いた話に依ると、ちょうど一ヶ月前に交通事故に遭って、頭を強く打ってしまったのが原因らしい」
思い出すことなど出来ないだろうに、眉間に皺を寄せながら思い出そうとするアイザックの姿を見て、俺は唖然とした。
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