一時間の真相

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昨日の夜、リビングで俺がひとりで一方的に気まずくなって、自分が好きな音楽を携帯で流した時、少し離れた場所でアイザックはその歌を口ずさんでいた。 自分の好きな歌を、アイザックも好きだと知った瞬間。 俺は、その感情を改めて知ってしまった。 嬉しい、という気持ちだ。 喜怒哀楽の喜び。 何故、あんたは俺の気持ちに気付かないのか。 あんたも、俺にそう思っていたのか? 「ニャン太、ご飯出来てるぞ?何が好きか分からないから、親子丼を作ってみた」 俺のことを変な奴だと思ったのだろう。 アイザックは少々冷たい声音で言いたいことだけを言い、先にリビングへと戻っていった。 ニャン太と呼びながら、アイザックは触れるどころか、必要以上に俺に近付こうとしない。 奴の話す言葉は、全く俺の頭に入ってこない。 つまり、つまらないことなのだ。 日常会話である、どうでもいいこと。 「あんたも食べてなかったのか?」 リビングに入ると、テーブルに乗った俺の箸とアイザックの箸が目に入ってきた。 質が悪いのは、こういうことをしてくることだ。 さっきみたいに俺が帰ってくるのを待ったり、一緒に飯を食おうとしたり。
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