第4話

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HR中、皆がクスクス笑いながら心結を見ている。わかっていても、行動に起こしていないし、心結はずっと変わらない笑顔のために何も言えない。守ると言ったのに……。きっと心結はこれを見越していたのだろうか。 「……じゃぁ、今日は終わり。明日はオリエンテーリングだ。遅れんなよ?俺は校長に呼ばれてるから、明日に備えて早めに帰れ。お疲れさん」 皆がバラバラに挨拶の言葉を口にする。芹沢が教室を出ると、女子生徒が心結を囲む。 「ねぇ、神凪さん?始業式いなかったよね?阪本くんもー。何してたのー?」 ニヤニヤと意地悪く笑う。更に向こうを向いた阪本の耳が赤いのが見えた。しかし、心結は笑顔を崩さず、女子生徒たちを見る。 「"図書塔の奥で、窓から景色を見ていたら……"」 阪本の方がピクリとした。 「『チャイムが鳴って、物音がしたから顔を覗かせたの。そしたら、彼が慌てて出ていくのが見えたのよね。だから、同じ場所にたまたまいたみたいね』」 綺麗な笑顔のまま答える心結に、残念そうな顔をする女子生徒。びっくりした阪本の顔が女子生徒たちの間から見えたが、見てないふりをした。
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