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「なぁんだ、つまんない。で?神凪さんて、実際いくつなの?」
欲しい結果でなかったからか、阪本には興味を無くしたらしく、心結に詰め寄る。
「……わからないの。空白の時間がどれだけだったのか。お母様は変わってなかったから、そんなに長くはないはずなんだけど」
心結にもわからない。変わらない日常だと思った景色が、変わっていた。生徒に見知った人はいないようだった。だからと言って、どれだけの空白の年月があるのかまではわからない。流石に顔を曇らせる。
「もしかしたら、すっごいおばさんだったりしてー?見た目じゃわかんないもんねふぇ?」
憶測だけで口にする。だが新参ものより、旧知を信じたがるものだ。
「えー?だったら、残念だなー。可愛いのはただの童顔かよ?」
クラス中が笑いだす。心結は何も言わなかった。
「ごめんなさいね?ちゃんと答えてあげられなくて」
気にも止めないかのように優しく微笑む。
「……あんたさぁ?何で高校生やりなおしてるの?大学にでも行ったらよかったじゃない」
同い年以外は受け入れたくない、そう目で語っていた。
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