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登りきろうとしたとき、風を感じた。ふわりと甘い香りを連れてくる。
「……あれ?先客?」
頭を出すと、目を奪われた。……綺麗な女の子がこちらを見ている。可愛くて、天使みたいな儚さの。
惚けていたら、彼女に腕を引かれた。いきなりのことに対応しきれず、巻き込む形で倒れ混んだ。どうみても、優翔が押し倒したようにしか見えない。
しかし、滅多に立ち入る者のいない図書塔。二人だけしかいない。頭を引き寄せられ、唇を重ねられていた。甘い衝動が、優翔の全身を駆け巡った。流されるまま、彼女に重なる。そのまま体を寄せあった。自然にお互いを求め合い始めた。経験などないはずなのに……。ただ優翔はこの天使が欲しい、そう思ったら止まらなかった。
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