第6話 優翔View

2/3
前へ
/16ページ
次へ
登りきろうとしたとき、風を感じた。ふわりと甘い香りを連れてくる。 「……あれ?先客?」 頭を出すと、目を奪われた。……綺麗な女の子がこちらを見ている。可愛くて、天使みたいな儚さの。 惚けていたら、彼女に腕を引かれた。いきなりのことに対応しきれず、巻き込む形で倒れ混んだ。どうみても、優翔が押し倒したようにしか見えない。 しかし、滅多に立ち入る者のいない図書塔。二人だけしかいない。頭を引き寄せられ、唇を重ねられていた。甘い衝動が、優翔の全身を駆け巡った。流されるまま、彼女に重なる。そのまま体を寄せあった。自然にお互いを求め合い始めた。経験などないはずなのに……。ただ優翔はこの天使が欲しい、そう思ったら止まらなかった。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加