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「仁、さん……」
柊香の華奢な頬に、一筋の光が流れた。
「ねぇ、私……幸せよ」
どれほど、泣いたって。
柊香は、いつも輝いている。
君の笑顔も泣き顔も、
いつでも俺には眩しくて。
自分のものなのに、煌びやかで。
どこか近付けないような神々しさがあった。
手を伸ばしても、届かない。
━━いや。
伸ばすものがない俺には、
届くことなど決してない。
でもな。
俺はここにいるんだ。
一緒にいる。
これ以上、近付けないほど傍にいる。
君の心と。
重なる距離に、居るんだよ。
「そこに……居るんでしょう?」
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