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━━居るよ。当たり前だろう。
俺はいつだって、君の傍に居る。
心の重なる距離に居る。
せっかく作って貰っといて何だが、
自分の墓になんか、
柊香がお参りに来る時しか行かない。
━━何やってんだかな、俺。
本当に。
一体全体、どうしたことなのか。
俺は死んじまって、もう何年も経つのに。
でもな、とっても幸せなんだ。
これ以上ないくらい、幸せなんだ。
「居る…に決まってるわよ、ね」
柊香のこと、こんだけ泣かせても。
けど、やっぱり幸せなんだ。
ごめん、ごめんよ、柊香。
俺の、カワイイカワイイ、柊香。
生きて仕事してた時と違って、
こんなにもいつも傍に居られることを。
「だから、ね」
ごめん、俺は。
「幸せよ」
本当に幸せだと、思っちまってんだ。
「ねぇ、仁さん……」
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