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……どうしてだ?
なぁ、柊香。
どうして、お前は。
俺を、こんなにも幸せにしてくれる?
「仁さん」
名前を呼ばれるたび。
「今年も、桜は……綺麗ね」
今となっては拭えない、
その水滴が流れ落ちるたび。
「今年も、来年も……
ずっと一緒に、見ましょうね」
ごめん、柊香。
俺は、やっぱり幸せなんだ。
どうすれば、この想いを返せるのか。
もう、それすら分からないのに。
「約束よ」
生きているとか、死んでいるとか。
そんなことは関係ない。
俺は━━君の傍を離れられないんだ。
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