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「ちーひろせーんせっ」
私は廊下を歩く先生の背中を見つけ声をかける
先生は私の姿を見つけると、優しげに微笑んだ
「おー優美。どうした、数学でわからないところでもあったか?」
「当たりですっ」
先生はやっぱりな、と笑いながら手に持っている問題集を開く
先生は私の担任であると同時に、数学の担当教師でもあった
とても教え方がうまくて数学が壊滅的な私でも赤点は免れている
「えっと、85頁の問3と、次のページの大問1の問2がわからなくて・・・」
「あぁ、応用問題な。ここは・・・」
基礎から、私にもわかるように丁寧に教えてくれる
「・・・、・・・あ!なるほど、わかりましたっ
ありがとうございます!」
授業中わからずモヤモヤしていた気持ちがなくなりすっきりとする
ふと視線を上げると、先生は静かな瞳で私を見ていた
・・・っ、、、
「あの・・・どうか、しましたか・・・?」
おずおずと問いかけると、先生はいつも通りに笑う
「いや、優美は本当にいい生徒だと思ってな
休み時間にわからない問題を質問しに来るのは優美くらいだからな。
その調子で頑張れよ?」
「・・・はい、頑張りますっ」
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