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「そういえば自己紹介がまだでしたね。僕の性は、渦の路と書いてカジ、名は、鬱の男と書いてシゲオ。小説家を目指して執筆活動の毎日であります」
「私は華(ハナ)。みんな、そう呼んでるからカジさんもそう呼んでね」
「華さんですか。それはまた、貴女のイメージにぴったりの名ですね」
「そう?嬉しい。これからよろしくね、カジさん」
「はい!こちらこそ、是非に是非によろしくお願いします!」
俺と華さんは笑顔で見つめ合う。
これからの新生活を思うと、これはもぅ胸がときめいて、ときめいて…
「いやぁ、実はと言うとバスも来ないし、人気もないので引き返そうかと熟考しているところだったのです。しかし、引き返さなかったお陰で華さんのような美しい方とこうしてお逢いできたわけで、男たるものやはり初志は貫徹すべきですね」
「あら、カジさんお口がお上手ね。ふふ」
『ーツギハ、妖館(アヤカシヤカタ)前、妖館前デスー』
「お、ここですね」
「えぇ着きましたわ。
『妖館』へようこそ」
華は妖艶な笑みを浮かべながらそう言った。
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