第一章 白い霧の中

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第一章 白い霧の中

私の中に、広がりつつある白い世界、それはなんとなく自分で感じている世界であり、第六感で感じている世界であった・・・。 ある朝、玄関のドアを開けると、白い霧で前が全く見えない状態であるのに驚いた。 初めての体験に戸惑いながらも、今まで見たことのない風景に惹きつけられていた。 その光景を見ると、身体に不思議な感覚が芽生えてくるのを肌が感じとっていた。 何も見えないが美しい。今からなにか起こりそうなそんな気がしてくるのだった。 私の他にも誰か、この景色を見ているのだろうか。 そんなことを思いながら歩いていくと、澄んだ音色の鈴の音が聞こえてきた。 何とも言えない綺麗な音色であった。 その音色の方を、目を凝らしてよく見てみると、白蛇が尻尾に鈴を付けて鳴らしながらこちらに近づいて来ていた。 青い瞳をもつ美しい白蛇は、私の顔をみると何かしゃべりだした。 「僕は、君に届け物があって君にあいにきたんだ」というと、白蛇は口の中から丸い玉を吐き出し舌の上に載せていた。 私は驚きながらも、その玉の美しさに一瞬我を忘れてしまっていた。 その玉は何もかも映し出している様に見えたのだ。 白蛇は、続けて私にこう言ったのだ。     
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