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そう言って刑事さんは水筒からお茶を取り出し飲む。
「お前も飲むか?」
「やめてください。薬物でも入ってるんですよね」
「ちょっと待て。俺は刑事だぞ?中に入ってるのはお茶だぞ?」
「でも人を騙すのもまた刑事ですよね?そんなわけでペットボトルのお茶飲むのでいいです」
「あるなら先に言え!!」
私はお茶を喉に流し込んだ。その時、彼の水筒のコップに花びらが一枚入っていくのが見えた。
「花に水が入りましたね」
「お前もな?」
刑事さんはティッシュを一枚渡す。私の鼻にも水が付いていた。
「ありがとうございます。それで事件の方はどうなんですかね?」
「俺は自殺だと疑ってる」
「根拠は?」
「首を紐で掛けて木の枝に吊ってんだぜ?それに遺言書のようなダイニングメッセージあるし。自殺だろ?」
「なるほど。あなた……」
「天才だろ?」
「馬鹿ですね。天才というのは名乗るのではなく、人に認められる存在ですよ。それよりもあなたが馬鹿なのは事件の証拠品を見てそういうことを言うところです。あと私に写真見せてください」
私がそう言うと彼は私に写真を見せた。
「あのぅ、このシールは何ですか?」
「顔に貼ってるシールは上に言われたんだよ。何せ、死んだのはうちの者だから」
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