1人が本棚に入れています
本棚に追加
「で、ダイニングメッセージはこの釘に刺されたこの紙の中と……」
「あぁ、紙はこれだ」
『私はお前を信じている。この言葉の意味はすぐに分かる』
「どういう意味ですか、これ?……あれ?刑事さん?」
「おーい、きみー」
向こうから走ってくる男刑事の上司が来た。
「あっ、どうもです。先ほど山村さんいたんですけど……」
山村さんというのは先ほど話していた男刑事の名前である。
「何言ってる?彼は三日前にここで首を吊って死んだんだ。自殺と我々は判断している」
「えっ……」
私はその言葉に一瞬、頭の中が真っ白になった。しかし彼がここにいたこととダイニングメッセージの内容、さらには写真のシールを剥がして首を吊っていたのが彼であると判断して一つの結論に結び付いた。
(刑事さん。あなたが自殺でないことを証明して見せます。これが明かされた暁にはここで酒を飲みましょう)
「なるほど。ごめんなさい、私はこれで失礼します」
「刑事が死んだのはお前みたいな探偵がいたからだな」
私は力を入れて拳に力を入れた。そしてこう言う。
「そうかもしれませんね」
にこやかに笑ってそこを去った。彼の上司刑事である川岸刑事の発言を撤回させるために。
また私の去っていく背中の後ろで桜の花びらが散って行きながら。
最初のコメントを投稿しよう!