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「よしのが大きくなるまで、俺がカバーしてやるから……」
そう言われて、私は冬馬が私の病気のことを知って同じ様に悩んでいてくれていたのではないかと思った。
すごく言葉を選んで私に接してくれているんじゃないかと思った。
家族の前でも悲しい顔を見せられなくて、自分自身にまで嘘をついていた私は初めて少しだけ心細くなくなった。
電車が二台通過して遮断機が上がる。
歩き出す私たちはやはりすごい身長差だ。
傍目には年の離れた兄妹みたいに見えてしまうかもしれない。
でもさっきまでよりも、それが気にならなくなった。
後ろの方でまだ踏切音が鳴っている。
凸凹な私たちの後姿を見送ってくれているように感じた。
彼がいてくれて本当に良かった。
『一生ものの友達だ』
口に出さず、心の中だけでそう呟きながら帰路についた。
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