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幼い皇輝が最初に眠らせてしまったのは、近所の子供だった。
「これあたしの!」
「だめ! コウくんの!」
公園の砂場でスコップの取り合いが始まり、ママ達が「仲良くねー」と声をかけようとした、その時。
女の子の身体が前のめりにかしいで、砂場に頭をつけた。
女の子は、うずくまるような姿勢になったせいで、スコップを取られて大げさに泣き始めたように見えた。
「あらやだ、サキちゃん。お顔に砂がついちゃうわ」
サキの背中に手をおいた母親が異常に気付く。
「サキちゃん?」
サキは返事をしなかった。
慌てて抱え起こした母親が、ぐったりと意識のない娘を見て金切り声をあげても、目を覚ますことはなかった。
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