予告&プロローグ

3/4
前へ
/24ページ
次へ
ーーーーーーーーーー 幼い皇輝が最初に眠らせてしまったのは、近所の子供だった。 「これあたしの!」 「だめ! コウくんの!」 公園の砂場でスコップの取り合いが始まり、ママ達が「仲良くねー」と声をかけようとした、その時。 女の子の身体が前のめりにかしいで、砂場に頭をつけた。 女の子は、うずくまるような姿勢になったせいで、スコップを取られて大げさに泣き始めたように見えた。 「あらやだ、サキちゃん。お顔に砂がついちゃうわ」 サキの背中に手をおいた母親が異常に気付く。 「サキちゃん?」 サキは返事をしなかった。 慌てて抱え起こした母親が、ぐったりと意識のない娘を見て金切り声をあげても、目を覚ますことはなかった。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

711人が本棚に入れています
本棚に追加