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30分後
なんにも見つからない。
これは流石に伊花も苦労しているのが見えなくてもわかる。
もうそろそろで営業が始まってしまうので俺たちはラストスパートをかけた。
探していると、伊花が何かを落とした。
「おい伊花、なんか落としたぞ。」
俺は一言、声をかけ落とした物を拾う。
伊花が落とした物は写真。マスターが写っており、隣には見たことない人が写っていた。
「マスター、これは?」
マスターに写真を渡すと、大事そうにしまった。
「正美…私の嫁だよ、少し前に病気で亡くなったんだ。」
「?―それは…落としてすいませんでした。」
俺たちがマスターに詫びると気にしなくていい、と笑顔で答えてくれた。
結局なにも進展はなく、喫茶店Mを後にした。
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