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「くっ……誰も近づいて来ない……」
生足好きをカミングアウトした俺は孤立していた。
でも、打開策が思い付かない。
「あれっ? タッくんじゃないですか!」
幻聴か? 背後から声が聞こえる。
今の俺に話し掛ける人などいないさ……そう思いながら振り向くと、優しい笑みを浮かべる浅果好宗さんがいた。
「よっぴいさん! お久しぶりです!」
「元気そうですね」
よっぴいさんは妻子持ちのイケメンクリエーターだ。シリアスな小説やギャグ満載の小説、さらに俳句やエッセイなど幅広く展開する。それでいて、仕事と家族サービスも手を抜かない。
「やっぱり今年も忙しいですか?」
「そうですね。仕事が忙しくて、小説の更新が思う様に出来ませんよ」
同じ匂いがする。近くにいるだけで、なんて安心出来る人なんだろう。
そんなよっぴいさんの顔を見ていたら、急に疑問が浮かび上がった。
「……よっぴいさん、顔にヒールで踏まれた様な跡がついてますよ?」
「あはははは。これはですね……」
気のせいだ。いくら同じ匂いがするからって、あんな事故は二度もあり得ない。
「あめさんの肘が顔面にクリーンヒットしまして……」
……
……
有り得た!!!
「さらにですね、偶然ですが兎の助さんにヒールで踏まれてしまって……」
……
……
うのやん!? 予想の斜め上を行った!?
……
……
「……タッくんもヒールの跡がついてますね」
……
……
俺達は熱い握手を交わす。
よっぴいが仲間に加わった。
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