タッくん④

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「くっ……誰も近づいて来ない……」  生足好きをカミングアウトした俺は孤立していた。  でも、打開策が思い付かない。 「あれっ? タッくんじゃないですか!」  幻聴か? 背後から声が聞こえる。  今の俺に話し掛ける人などいないさ……そう思いながら振り向くと、優しい笑みを浮かべる浅果好宗さんがいた。 「よっぴいさん! お久しぶりです!」 「元気そうですね」  よっぴいさんは妻子持ちのイケメンクリエーターだ。シリアスな小説やギャグ満載の小説、さらに俳句やエッセイなど幅広く展開する。それでいて、仕事と家族サービスも手を抜かない。 「やっぱり今年も忙しいですか?」 「そうですね。仕事が忙しくて、小説の更新が思う様に出来ませんよ」  同じ匂いがする。近くにいるだけで、なんて安心出来る人なんだろう。  そんなよっぴいさんの顔を見ていたら、急に疑問が浮かび上がった。 「……よっぴいさん、顔にヒールで踏まれた様な跡がついてますよ?」 「あはははは。これはですね……」  気のせいだ。いくら同じ匂いがするからって、あんな事故は二度もあり得ない。 「あめさんの肘が顔面にクリーンヒットしまして……」  ……   ……  有り得た!!! 「さらにですね、偶然ですが兎の助さんにヒールで踏まれてしまって……」  ……  ……  うのやん!? 予想の斜め上を行った!?  ……  …… 「……タッくんもヒールの跡がついてますね」  ……  ……  俺達は熱い握手を交わす。  よっぴいが仲間に加わった。
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