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「……」
……あれっ? ……ここは何処なの?
心地よい柔らかさを感じて、ゆっくりと瞼を開ける。
……女神……様?
キラキラと輝くオーラを纏った女神が、膝枕で頭をなでなでしてくれていた。
「あっ、気がついたのね。大丈夫?」
「私……死んじゃったのね……ここは……天国?」
「えっ? ここはロビーの休憩スペースよ」
……
……
「何で地上に女神様がいるの!?」
驚き過ぎて、ソファーから飛び起きてしまった。
「女神様? ふふっ、面白い子ね。私の名前はミモリ……気絶したあなたを介抱する様に頼まれたのよ」
……思い出した。イケメンピアニストの前で気絶したんだった。という事は、あのイケメンが私をお姫様抱っこしてここへ……いけない! よだれが!
「タッくんったら、いきなり宜しくなんて言うから……」
「叔父さんかよっ!!! ……あっ」
目覚めると同時に頭をフル回転させ、さらに叫んでしまった私は立ち眩みした。
「危ない!」
私の手を取り体を支え、女神が優しく包み込む……
この人は何故、こんなにも輝いているの? 本当に女神様?
艶やかな肌、フワフワした髪、プルっとした唇、優しい目元、そして全てを包み込む包容力……お父さん、お母さん、ごめんなさい……私……禁断の花園へと旅立ちます!
「もう大丈夫そうね。じゃあ私はこれで……」
逃すか!
「お姉さまーーー!!!」
玉子の突進。ミモリはひらりと身をかわした。
「負けない! ……あれっ?」
振り返ると、女神の姿は消えていた。
「おねーさまー? おねーさまー!」
新たな世界に目覚めてしまった玉子は、再び会場へと向かって走り出す。
その先には、次なる出会いが待ち構えていた……
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