のりたまこ⑤

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「……」  ……あれっ? ……ここは何処なの?  心地よい柔らかさを感じて、ゆっくりと瞼を開ける。  ……女神……様?  キラキラと輝くオーラを纏った女神が、膝枕で頭をなでなでしてくれていた。 「あっ、気がついたのね。大丈夫?」 「私……死んじゃったのね……ここは……天国?」 「えっ? ここはロビーの休憩スペースよ」  ……  …… 「何で地上に女神様がいるの!?」  驚き過ぎて、ソファーから飛び起きてしまった。 「女神様? ふふっ、面白い子ね。私の名前はミモリ……気絶したあなたを介抱する様に頼まれたのよ」  ……思い出した。イケメンピアニストの前で気絶したんだった。という事は、あのイケメンが私をお姫様抱っこしてここへ……いけない! よだれが! 「タッくんったら、いきなり宜しくなんて言うから……」 「叔父さんかよっ!!! ……あっ」  目覚めると同時に頭をフル回転させ、さらに叫んでしまった私は立ち眩みした。 「危ない!」  私の手を取り体を支え、女神が優しく包み込む……  この人は何故、こんなにも輝いているの? 本当に女神様?  艶やかな肌、フワフワした髪、プルっとした唇、優しい目元、そして全てを包み込む包容力……お父さん、お母さん、ごめんなさい……私……禁断の花園へと旅立ちます! 「もう大丈夫そうね。じゃあ私はこれで……」  逃すか! 「お姉さまーーー!!!」  玉子の突進。ミモリはひらりと身をかわした。 「負けない! ……あれっ?」  振り返ると、女神の姿は消えていた。 「おねーさまー? おねーさまー!」  新たな世界に目覚めてしまった玉子は、再び会場へと向かって走り出す。  その先には、次なる出会いが待ち構えていた……
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